ワンピース無知の僕が、ONE PIECE FILM RED の感想文を書いてみました。
『ネタばれ無し』のつもりです。
もしあったらごめんなさい。
2022年8月から上映されているワンピースの新作映画を観てきました。
ただ、僕のワンピースについての知識は20年以上前で止まっているので、観る前に麦藁の一味の復習からはじめるという始末、、、
そんなワンピース無知of無知の僕が今回の映画を観て、無知ゆえにいろいろと考えさせられたので、感じたことや考えたことをメモしてみることにしました。
ストーリーについてはそんなに書くつもりはないので、伏線がどうとか、あのキャラクターの秘密がどうとか、そんな情報はありません。
それではいきましょう。
映画あらすじ
世界で最も愛されている歌手、ウタ。
素性を隠したまま発信するその歌声は”別次元”と評されていた。
そんな彼女が初めて公の前に姿を現すライブが開催される。
色めき立つ海賊たち、目を光らせる海軍、
そして何も知らずにただ彼女の歌声を楽しみにきた ルフィ率いる麦わらの一味たち、
ありとあらゆるウタファンが会場を埋め尽くす中、 今まさに全世界待望の歌声が響き渡ろうとしていた。
物語は、彼女が”シャンクスの娘”という衝撃の事実から動き出すー。
「世界を歌で幸せにしたい」とただ願い、ステージに立つウタ。
ウタの過去を知る謎の人物・ゴードン、そして垣間見えるシャンクスの影。
音楽の島・エレジアで再会したルフィとウタの出会いは12年前のフーシャ村へと遡る。
引用元:『ONE PIECE FILM RED』予告Trailer
才能の発信が世界を変える
ワンピース無知の僕でも”大海賊時代”のお話というのはギリギリ知っています。
しかし、そんな大海賊時代に「動画配信」「ライブ配信」というワードが出てきたことに驚きました。
そしてウタはライブ配信を通じ、彼女の才能である歌唱力で、世界中の人々から注目を集めていました。
無名のウタが歌唱力という才能を世界へ発信することで人生を大きく変えていったのです。
これは現代社会にもあることだなと感じました。
つい最近まで無名だった一般人が、突如ネットやSNSを通じて、自分の才能を世界へ発信することで、影響力を持つようになり、人生が大きく変わっていく。
現代にありそうな話が大海賊時代に起きていることに、まずは興味が沸きました。
今や誰もが才能・個性を活かして、コンテンツで発信することにより、世界を変えられるチャンスがあります。
世界中の人々を幸せにする才能はどんどん発信していくべき!そしてそれによって救われる人が大勢いる!
そんなメッセージ性を映画序盤に感じました。
影響力を持ったときの心得
映画の中でウタは自分のファンを自分が作った理想の世界であるバーチャルワールドへ引き込もうとしていました。(※実際にはウタの裏の考えは違ったけど)
このことは才能を発信し、影響力を持ったときに、どんな言動を取れば良いかも教えてくれた気がします。
僕がなんとなく感じたことを箇条書きしてみます。
- ファンをコントロールしようとしない
- 自分は前を向いて進むだけ
- ファンと向き合うことは大事だが、考えを押し付けてはいけない。
- 「ファンのため」がそうではないこともある。
- 自分に付いて来てくれる人を求めすぎない。
- 自分の世界にはめようとし過ぎない。
こんな感じでしょうか。
ファンが付いたときの状況というのは、ファンのいない一般人からはイメージしにくいことも多いですが、もし影響力を持ったときに、どのように振るまえばよいのか心得ておくことで、勘違いせずにファンを楽しませることができる気がしました。
思考停止の恐怖
続いてはファン側の話です。こちらの方が身近な話。
自分の個性を発信する側がいれば、それを受け取る側も存在します。
発信された情報を受けて、感情を揺さぶられ、それまで知らなかった、知る由もなかった相手のファンになるのです。今で言うと”推し”ってやつですね。
あなたも推しメンがいるのではないでしょうか。
誰かを応援したり、サポートしたり、考えに共感することは、全く悪いことではないし、それを生きがいにして、生きるの活力を見出している人だっています。
需要と供給のバランスが保たれていれば、とても良い環境だとも思います。
しかし、受信者が発信者の言動を全て肯定し、受信者自身で思考や判断することを辞めてしまうと悲劇がはじまります。
映画では、ウタのファンの中には、ウタへの信仰が強すぎて、ウタの言うことにはすべて従うような状態になってしまう人もいましたが、それは近年の人間の失敗する要因の1つだと思います。
現実社会でも、何か一つの情報だけに固執して、その情報が全てだと思い込み、それ以上の情報収集をしなくなると、自分の中にある世界の幅が狭まってしまい、極端に偏った思考になりかねません。
中にはそんな人の弱さにつけ込み、相手の思考をコントロールしたり洗脳しようとする発信者も存在します。
それにハマってしまうことで、宗教や信者系のトラブルが発生するのです。
宗教自体が悪いということではありません。
自分の頭で考えて、自分で判断し、自分なりに他の情報を集めてから結論を出す習慣を持つべきだと感じました。
現実の世界と理想の世界
「理想の世界」「夢の世界」「新世界」現実とは異なる空間で人々が自由で豊かに伸び伸びと暮らしている系の物語は、最近の映画やドラマでよく見られる人気のテーマですね。
それだけ現実から理想の世界へ移りたいと思ってる人が多いということでしょうか。
たしかに、夢の世界では自分だけが仕事で活躍して、プライベートでは異性にモテモテで、嫌な仕事や勉強はしなくていい。
好きな時に起きて、好きな場所で、好きな人と、好きなことをする。
そんな世界に自分が入り込んだら、ここから出たくないと思うでしょう。
すでに現代ではバーチャル空間で理想の自分を作り上げて、理想の世界で楽しんでいる人もいます。
徐々にバーチャル空間でも生計を立てる人が現れてくるかもしれませんね。
そんな楽しみな未来もありながら、ここで考えることは、なんのストレスもなく、苦労もなく、プレッシャーもない環境が果たして本当に最高な生き方なのでしょうか。
失敗するかもしれないから、成功したときが嬉しいし、邪魔する相手がいるから、それを回避する戦術を考えるのが楽しいのだと思う。
勝ちが約束された人生って、最初は楽しいかもしれないが、意外と人生が充実しているとは感じないかもしれない。
人が求める自由とは?
この問いがこの映画のメインテーマかなと思いました。
映画ではウタの考える自由と、ルフィが考える自由が対立します。
ウタが考える自由とは、苦しいことや辛いことを避けて、好きなことを好きなだけやれること。嫌なことや面倒なことがある現実から離れて、苦のない世界で生きること。
それに対して、ルフィの考える自由とは、苦しいこと辛いことに立ち向かって、苦のある現実を変えて楽しみを見つけていくこと。
名言「海賊王とはこの海で1番自由なヤツだ」
ここではどちらの自由が正しいのかという話はしません。
重要なのは、「自由」とは何かというのは人それぞれで異なるということです。
ウタは自分の考える自由を人々に押し付けてしまったところに欠陥があったと思います。
あなたが求める自由は相手も求めているものなのか?
あなたが求める理想は他人も求めているものなのか?
自由に遊んで暮らせる世界、仕事も勉強もしなくていい。
しかし、それが本当にみんなが求める理想の世界なのか。
学校が好きな人もいるし、仕事が大好きな人もいる。
甲子園に行くという夢を持った人からすると、辛くて厳しい練習をすることは、苦ではないのかもしれない。
自由を手にしたい、自由になりたい、と言う人はよくいるけれど、どうなれば自由なのか、何があれば自由と言えるのかは、人の数だけ存在するということですね。
まとめ
映画ONE PIECE FILM RED を観賞して学んだこと。
- 才能の発信が世界を変える
- 思考停止の恐怖
- 現実の世界と理想の世界
おそらくワンピース無知ならではの考察だったのではないでしょうか。
映画のストーリー自体は、普段ワンピースを見ていなくても理解できる内容だったので、ワンピース無知の僕でも十分楽しむことができました。
自分にとって自由とは何かを考えさせられる映画でした。
ただこれは何が正解なのかはわからないし、正解なんてないとも思う。
今後は「自分は田舎の地元で生きる」「自分は都会に上京して生きる」くらいの感覚で「自分は現実世界で生きる」「自分はバーチャル世界で生きる」みたいな考えが普通になってくるかもしれない。
たしかに永遠にバーチャルの世界で生活できるようになったら、好きな時に、好きな場所で、好きな人と、好きなことして暮らすことができたら楽しそう。
さらには自分自身も好きな顔、好きな体型、好きな格好にもなることができて、それを「自由な人生」だと信じれば、それはそれで幸せかもしれない。
今後、僕らの世界でもどちらの考え方が良いか、議論されるようね世の中になっていく(というかもうなっている?)
どちらに共感するか意見が分かれ、現実世界で生きる人、バーチャル空間で生きる人に分かれる。
どちらが正解とかはないと思う。
どちらが良いのかというよりも、「自分はどちらの世界に適しているか」という視点で選択した方が、幸福度が上がると思います。
ここでも自分が個性を最大限に活かせる方で生きれば良いと思う。
結局は「自分は何者か」「自分はどういう時に幸せを感じるか」「自分は何を楽しめるか」自分で自分のことを詳しく分析して、理解している人が、これからは幸福に生きていけるのではないか。
世界を変えるなら自分はどこで活躍できる人間か、自己分析、自己理解からはじめてみてはいかがでしょうか。
ワンピースの映画を観て、この結論になるとは思いませんでしたが、今回は以上です。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
ではまた!
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